不織布百科事典

アイデアを形にする不織布の可能性

スパンレース不織布

高圧水流により織維を交絡させて製造するスパンレース不織布は、さまざまな原材料が使用でき、多分野の不織布製品を作り出すことが可能です。

高圧水流
接合
高強度ソフト吸湿性
吸水性
用途例
メディカル用品、衣類、ワイパー各種、合成皮革資材など

ウェブ内の繊維を高圧水流により交絡させて製造する不織布です

スパンレース不織布は、ウェブ内の繊維を高圧水流により交絡させて製造する不織布です。バインダー(接着剤)を使用しないので衛生面に優れ、また、さまざまな原材料に対応ができ、幅広い不織布製品を作り出すことが可能です。 シンワではこのスパンレース不織布製造ラインを2基設置しており、一つは、特殊繊維や原綿に色が付いた原着原綿に対応する小ロット生産向けのライン。もう一つは、高速化・高目付化に対応し、プリントボンドによる着色も可能な大型ラインとなっています。

特徴

  • さまざまな原材料を使用できます。

    天然素材から化学繊維、特殊繊維など、不織布の原材料としてさまざまな素材、繊維を使用できます。

  • バインダーや添加剤を含浸できます。

    必要に応じて、バインダー(接着剤)や添加剤などを含浸させられます。それにより付加的な機能を持たせた不織布の製造が可能です。

  • 異素材との貼り合わせも可能です。

    スパンレース以外の不織布やパルプなどと貼り合わせが可能なので、多様な機能を付与することが可能です。

  • 低目付〜高目付の不織布を製造できます。

    クロスウェブ方式を採用しており、製品の縦横比の強度調整に優れ、低目付〜高目付の不織布を製造できます。

結合方法

高圧の水流によって繊維を交絡させる

0.1mm程度の小さな穴の空いたノズルから高圧の水流をウェブに打ち付け、繊維を交絡させます。ウォータージェット、あるいはウォーターニードルと呼ばれることもあります。

主な製品分野

食品業界から医療・生活分野の製品まで幅広く対応します。

カウンタークロス
カウンタークロス
ワイパー
ワイパー
フェイスマスク
フェイスマスク
生分解性ポッド
生分解性ポッド

【製品】 フードサービスタオル・ガーゼ・生分解性農業用ポッド・各種カラー不職布・医療用ドレープ・自動車用資材・フィルター・土木用資材・各種ワイパー・人工皮革

乾式不織布の製造工程

乾式不織布の製造工程
原料
原料
主な原料は、レーヨン、ポリエステルをはじめとする「原綿」で、一塊が200〜300kgで繊維メーカーから供給されます。求められる物性に応じて、数種類の原綿をブレンドして使用する場合もあります。
混綿・開繊
混綿・開繊
塊状の原綿をほぐし、混ぜ合わせ、配合・重量を均一な状態にします。 これによって次工程(カーディング)に適した原料となります。
カーディング
カーディング
配合や重量が均一になった原綿は、カーディング工程にて複数のロールを通過することで、シート状になります。このシート状の綿を「ウェブ」と呼びます。均一なウェブをつくることがカーディング工程でのポイントです。こうしてできたウェブは、製法によって「パラレルウェブ」「クロスウェブ」といった繊維の配列方向が異なるウェブとすることも可能で、それぞれに特性を持っています。これによって次工程(カーディング)に適した原料となります。均一になった原綿をシート状のウェブに整えます。
パラレルウェブ: 縦方向に対する強度が強い、低目付での地合に優れる。
クロスウェブ: 強度の縦横比を均一、または任意にコントロールでき、低目付〜高目付の不織布を作ることができる。
結合
結合
カーディングを終えたウェブは、まだ繊維同士が結びついていない状態です。繊維を結合させることでウェブから強度を持ったシートへと変わっていきます。シンワではレジンボンド、サーマルボンド、スパンレースの3製法を使い分けています。結合工程の違いにより乾式不織布の特徴が変わってきます。
乾燥
乾燥
シートの水分の乾燥、熱融着(芯鞘構造)繊維の溶融接着、樹脂の固化等を行います。
検査
検査
乾燥工程が終えた不織布は、異物混入がないか厳しくチェックされます。
巻取
巻取
検査工程を終えたシートは任意の幅・長さで巻き取ります。

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