水を弾き、水から守る。
不織布は水を吸うのが得意ですが、その逆の「水を防ぐ」力も求められます。この機能には、似ているようでレベルが違う、二つの種類があります。
「撥水」と「防水」の違い

探求のポイント:
なぜ、おむつはムレずにモレないのか?
この機能の面白さは、赤ちゃんの紙おむつに隠されています。おむつの表面(肌に触れる部分)は、尿を素早く透過させつつ、一度吸収した尿が肌に戻らないように「撥水性」が使われています。そして、おむつの外側には、尿が外に漏れ出さないように「防水性」(多くは透湿性も併せ持つフィルム)が使われています。一枚の製品の中で、巧みに「通す」と「防ぐ」を使い分ける。これも不織布の技術です。
濡らしたくないものを守るために、様々な場所で使われています。
水を防ぐ力は、JIS規格という「ものさし」で客観的に評価されます。
撥水性試験 (JIS L 1092):
生地に霧吹きで水をかけ、どれだけきれいに弾くかを評価します。
耐水度試験 (JIS L 1092):
生地に水圧をかけ、どれだけの水圧まで水が染み出さずに耐えられるかを測ります。
キーワード解説
ラミネート:
フィルムなどの薄い膜を、布や紙に貼り合わせる加工技術のことです。防水機能を持たせる代表的な方法です。
ウェットバック:
おむつなどで、一度吸収した尿が、赤ちゃんの肌側に逆戻りしてしまう現象。これを防ぐために、肌側の不織布には撥水性が使われます。

どうやって不織布にこの力を与えるのでしょうか?方法は、大きく分けて三つあります。
素材の力
もともと水と仲が悪い性質を持つ「ポリプロピレン」などの繊維で作ります。
薬剤の力
不織布の表面に、水を弾く効果のある薬剤を塗ります。
フィルムの力
防水フィルムなどを貼り合わせ(ラミネート)、水の通り道を物理的に塞ぎます。
私たちは、お客様の製品の目的や用途に合わせて、最適な方法を選んで、この「水を防ぐ力」を実現しています。
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