「色はどうやってつけているの?」
身近なようで意外と知られていない。そんなカラー不織布のご紹介です。

日常生活で見かける色
生活のさまざまな場面で使われている不織布。代表的なのは白色ですが、それ以外の色の不織布を目にする機会も多いのではないでしょうか。
身近なものでは、不織布バッグやラッピング材、ふきん、マスク、子ども向け教材など。
また、医療現場で使用されるシーツやドレープ、ガウンをはじめ、自動車の内装材やフィルターにも、カラー不織布が採用されていることがあります。
このような不織布のさまざまな色は、皆さんの日常に彩りを添えるだけではありません。用途に応じて目への負担を軽減したり、特定の付着物を見つけやすくしたり、反対に汚れを目立ちにくくしたりと、さまざまな役割を担っています。また、中には特定の機能を持たせるために、あえて色を付けた繊維が使われている場合もあります。
シンワの着色技術
不織布にはさまざまな方法で色を付けることができます。
シンワでは、スパンレースとスパンボンドという工法の異なる2種類の不織布でカラー対応を行っています。両工法とも、原着繊維の使用と不織布製造後の印刷加工に対応しており、さらにスパンレースでは設備の一連の工程の中で、塗工や液を浸透させる含浸加工も可能です。
「原着繊維」とは、原料の段階で色のもととなる顔料を練り込んだ繊維のことです。白い不織布に後から塗工や含浸、印刷で着色する方法とは異なり、繊維そのものが着色されているため、こすれても色落ちしにくいという特長があります。その反面、多彩な色の原着繊維を取り扱うには、品質を維持するための厳格な管理が欠かせません。
長年にわたりカラー不織布を手掛けてきたシンワだからこそ実現できる技術の一つです。
一方、原着繊維だけでは表現できる色合いや付与できる機能に限りがあり、白い不織布に後加工を施すほうが適している場合もあります。シンワのスパンレースは、不織布の製造工程内で塗工や含浸加工を行うことができるため、希望する色合いに合わせた調整はもちろん、顔料をしっかり定着させるための接着剤の役割を持つバインダー選定まで行い、お客様のニーズに合わせた製品に仕上げています。
このように、どの着色方法を選ぶ場合でも、高品質なカラー不織布を実現するには、長年培ってきた経験とノウハウに裏打ちされた技術が欠かせないのです。

昔から愛されるシンワの代名詞
シンワのカラー不織布には、「カラーハイボン」という商品があります。長年にわたり多くのお客様に親しまれてきた、シンワを代表する商品の一つです。
カラーハイボンは、原着繊維を使用したスパンレース不織布で、子ども向け教材として使用されることを想定し、11色のカラーバリエーションを展開しています。
では、子ども向け教材であれば、カラフルな不織布であれば十分なのでしょうか。
もちろん、豊かな色彩は大切な要素です。しかし、それだけではありません。小さな子どもたちが工作に使いやすいよう、あえてスパンレース工法を採用し、使い勝手にもこだわっています。適度なハリがあるため持ちやすく、縦横の方向を気にせずハサミで切りやすいことも、カラーハイボンならではの特長です。
このように、カラー不織布は色だけで価値が決まるものではありません。どのような特性を持たせるかによって仕上がりは大きく変わり、用途に応じたさまざまな製品へと展開することができるのです。

可能性を広げるコミュニケーション
不織布事業を始めて約60年。長年にわたり培ってきた不織布製造のノウハウは、カラー不織布にも確かに受け継がれています。
用途や求められる機能に応じて、数ある着色方法の中から最適な方法をご提案することも、お客様との大切なコミュニケーションの一つです。
白色というイメージにとらわれない、価値を持つ不織布を、お客様とともに生み出していきたい。その想いを胸に、これからも技術を磨き続け、より良いものづくりに挑戦していきます。
「日々しさく」という言葉は、
私たちのものづくりへの約束です。
この記事を支える技術



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