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相互理解からはじまる採用へ

バリューカードがつなぐ、

“選ぶ“  ”選ばれる“ だけではなく、“知り合う”こともできる採用へ。
価値観を言葉にしながら、お互いの“らしさ”に耳を傾ける。
バリューカードを通して、人と人との新しい出会い方を模索した思索の物語です。

バリューカードとの出会い

「バリューカードって知っていますか?」

そんな言葉を聞いたのは、県内の学生コミュニティ代表者の方と雑談をしていたときのことでした。それは、自分が大切にしたい価値観をカードから選び取っていくカードゲームだそうです。ルールはとてもシンプル。まず、参加者に5枚ずつのカードが配られます。カードには人生や仕事において軸となる様々な「価値観」が書かれています。

52種類の価値観が書かれたカードがあります。

山札から新しいカードを1枚引き、手元にあるカードと見比べながら、自分が「より大切だ」と思う5枚を残し、溢れた1枚を捨てていきます。これを何度か繰り返します。そして最後に手元に残った5枚のカードをみんなの前にオープンにして、お互いの価値観を共有し合うのです。

「面白いですよ。人によって残すカードが全然違うんです。」

たとえば、「安定も大切だけれど、今の自分はそれ以上にチャレンジを大事にしたい。」そんなふうに、自分の価値観に優先順位をつけながら選んでいくのです。

正解はなく、選んだ理由にもその人らしさが表れる。

話を聞いているうちに、ただカードを選ぶだけではない、その場に流れる空気が自然と想像されました。
カードを囲みながら、「どうしてその言葉を選んだのか」を話していく時間。
自分の考えを言葉にしていく姿。
そして、相手の価値観に耳を傾けながら、「そういう考え方もあるんだ」と知っていく感覚。 
それは、どこか「人を知る」ための時間のように思えたのです。

どのカードを手元に残そうか、悩みます。

新しい選考の模索

バリューカードと出会った頃は、春からの採用活動について話し合っている時期でもありました。

そんなとき、ふと頭に浮かびました。
「もし面接で、バリューカードを囲んだら、どんな時間になるんだろう。」

面接官が質問を投げかけ、学生は用意してきた回答を返す。
そんな一問一答の形式がこれまでの当たり前であり、何の疑問も抱いていませんでした。。

けれど、カードゲームの話を聞いたあとに振り返ると、それはお互いに少し身構えたまま、どこか品定めをし合うような時間になっていたのではないか、と気づかされたのです。 限られた時間のなかで、その人の本当の人柄や、大切にしている価値観まで知ることは、案外難しいものです。

まずはお互いを知り合う時間として。
問いに答えるだけではなく、自分の価値観を言葉にしてみる時間として。
社内で話し合いを重ね、「選考」ではなく「出会い」の場にしてみよう、という想いが少しずつ形になっていきました。

しかし、現実はそう簡単ではありませんでした。
いざ採用活動が始まると、学生の予約はオンライン開催が中心に。
画面越しではカードの手触りや、その場に流れる空気感までは共有しきれません。
残念ながら、当初目的としていた「バリューカードを使った一次面接」は、まだ実現できていません。

相互理解から広がるつながり

それでも、「やってみたい」で終わらせたくはありませんでした。
この春、私たちは新入社員研修にバリューカードを取り入れてみることにしました。

同じテーブルでフラットにカードを引き、悩み、選び、言葉を交わす。

ゲーム感覚で楽しくコミュニケーションを取りながら、リラックスした雰囲気の中で自然と会話が弾みます。型にはまった研修では見えにくかった新入社員たちの「素の表情」や「大切にしている想い」が、カードを通して少しずつ見えてきました。 

実際に参加した新入社員からも、
「自分の価値観を改めて見つめ直せた」
「お互いのことを自然に知ることができた」
「初対面でも距離が縮まった」
という声が届いています。

手元に残ったカードをメンバーに共有します。

今回の試みを通して感じたのは、「相互理解」は決して特別なことではなく、ほんの少し、互いの価値観に耳を傾けるところから始まるのだということでした。

布でも紙でもない「不織布」という素材には、決まった形がありません。繊維の絡ませ方ひとつで、柔らかくもなれば、強くもなります。無限の可能性を秘めた素材を扱う私たちだからこそ、人と会社とのつながり方だって、決まった型に縛られる必要はないはずです。

いつか就職活動という人生の節目に立つ学生たちと、このカードを囲める日を思い描きながら。
シンワは今日も、人と人との新しいつながりを、少しずつ紡いでいます。

「日々しさく」という言葉は、
私たちのものづくりへの約束です。