不織布百科事典

アイデアを形にする不織布の可能性

食品対応

「安全」と「美味しい」支える影の力

特徴

お茶パックやトレーマットのように、食品に直接触れる製品には、法律に基づいた、特に厳格な安全性が求められます。万が一にも、製品から有害な物質が溶け出したり、食品の味を損ねたりすることがあってはならないからです。私たちは、国が定めた「食品に触れても安全な材料リスト(食品衛生法ポジティブリスト)」に載っている原材料だけを使い、皆様の健康を守ることを第一に考えています。

安全が、皆さんの手元に届くまで



皆さんが最終製品を安心して手に取れるよう、法律を遵守し、安全な材料を製品メーカー様にお届けしています。

探求のポイント:

コーヒーの「味」を守る、繊細な材料選び。

食品対応の難しさは、安全なだけでなく「味や香りを邪魔しない」ことにもあります。例えば、コーヒーフィルター。原料の一つであるポリプロピレン(PP)繊維は、コーヒー豆に含まれる油分を吸い取ってしまい、本来の味を変えてしまうことがあります。私たちは、お客様が目指す理想の味を実現するために、様々な繊維の配合を試し、最適なバランスを探し出すお手伝いをします。これは、安全性の確保という土台の上で、さらに「美味しさ」にまで寄り添う、私たちのこだわりの一つです。

主な使用用途

食卓からお店まで。暮らしの中の「美味しい」を、不織布が支えています。
  • お肉やお魚のトレーに敷く「トレーマット」
  • お茶パック、コーヒーフィルター
  • コンビニのおにぎりや、お弁当のご飯が容器にくっつくのを防ぐ「炊飯シート」

技術特性とスペック

食品に触れる製品の安全性は、「食品衛生法」という法律の「ものさし」で厳しくチェックされます。

ポジティブリスト制度:

食品に触れる合成樹脂製の容器や包装について、国が安全性を評価した物質だけをリスト化し、そのリストにあるものしか使ってはいけない、という決まりです。

材質試験・溶出試験:

製品に鉛などの有害物質が含まれていないか、また、食品に有害物質が溶け出さないかを調べるための試験です。

キーワード解説

食品衛生法:
飲食によって起こる健康被害を防ぎ、国民の健康を守るために定められた、日本の法律です。

製造方法と品質

どうやって、食の安全と品質を守っているのでしょうか。そこには、目に見えない場所でのこだわりがあります。

素材の力(安全な原材料)

合成樹脂の繊維を使う場合は、ポジティブリストに収載されている、安全性が確認された材料だけを選んで使用します。

見えない場所へのこだわり(材料選び)

不織布の製造では、繊維同士をつなぎ合わせるための接着剤液体を使うことがあります。この接着剤の中には、コストは安いものの、お酢のような臭い(酢酸臭)が発生する可能性があるものも存在します。私たちは、そのリスクを避けるため、食品対応品だけでなくすべての製品において、臭いの心配がなく、より安全性の高い種類だけを選んで使用しています。これは、目に見えない部分にまで配慮を尽くす、私たちの品質への約束です。

他の機能を見る

Share