不織布百科事典

アイデアを形にする不織布の可能性

難燃性

燃えにくい、という安全性能。

特徴

多くの繊維は熱で燃えたり溶けたりしますが、自動車の内装や工事現場など、法律で「燃えにくさ」が厳しく求められる場所がたくさんあります。

ひと目でわかる!「燃えにくさ」のレベル

探求のポイント:

性能と、風合いやコストとの両立。

最も燃えにくい繊維の一つに「炭素繊維」がありますが、これは黒色で非常に高価。そのため、多くの製品では難燃剤を後から加工します。しかし、この難燃剤も万能ではなく、不織布の風合いを少し硬くしてしまうことがあります。求められる難燃レベル、風合い、そしてコスト。この三つの要素を、お客様にとっての最適解へと導くのが、私たちの役割です。

主な使用用途

高い安全性が求められる、産業資材や建築分野で活躍しています。

  • エアフィルター、自動車の内装材(シート、天井)
  • 電気製品の内部品、建築用の断熱材
  • 溶接現場の火花よけシート(スパッタシート)

技術特性とスペック

「燃えにくさ」は、自動車(FMVSS)、建築、電気製品(UL規格)など、分野ごとに厳しい「ものさし」があります。

JIS L 1091:
日本の繊維製品の燃えにくさを測る、基本的な試験方法です。

限界酸素指数(LOI値):
燃えにくさを表す、代表的な数値です。

キーワード解説

限界酸素指数(LOI値):
空気中の酸素濃度が何%以上になると、その物質が燃え続けるかを示す数値です。普通の空気中の酸素濃度は約21%なので、LOI値がそれより高いほど、燃えにくい材料と言えます。

製造方法と品質


どうやって不織布にこの力を与えるのでしょうか?方法は、大きく分けて二つあります。

素材の力

素材そのものが燃えにくい、アラミド繊維や炭素繊維の元となる酸化アクリル繊維など、特殊な繊維を選んで作ります。

難燃剤の力

完成した不織布に、燃焼の連鎖を止める化学的な働きを持つ、特殊な薬剤をコーティングします。

私たちは、お客様の製品の目的や用途に合わせて、最適な方法を選んで、この「安全を守る力」を実現しています。

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