やさしく守る、ふっくらの力。
スマートフォンを落とした時にケースが守ってくれるように、モノや体を衝撃から守るのが「緩衝性」です。不織布は、繊維が三次元に複雑に絡み合った構造で、その内部に無数のミクロな隙間(空気の層)を持っています。この空気の層が、まるで無数の小さなバネやクッションのように働き、外部からの衝撃を吸収・分散させます。
また、不織布はどこを切ってもほつれることがなく、様々な形にカットして使うことができます。通気性も保てるため、ムレを防ぎたいクッション材などにも最適です。
探求のポイント:
ただ「柔らかい」だけではない、元に戻る「弾力性」。
この機能で面白いのは、ただ柔らかいだけでは、良い緩衝材にはなれない点です。一度押されたら、元に戻る「弾力性(反発力)」がなければ、衝撃を吸収し続けることはできません。わた菓子のようにただ柔らかいのか、それともマットレスのようにしっかり体を支え、押し返す力があるのか。私たちは、熱で縮れる特殊な繊維や、中が空洞の繊維などを使い分けることで、お客様が守りたいものに合わせた、最適な「柔らかさ」と「弾力性」のバランスを設計しています。
衝撃から守る力が、暮らしの様々な場面で活かされています。
緩衝性を高めるために、私たちは様々な機能を持つ特殊な繊維を使い分けています。
潜在捲縮繊維(サイドバイサイド型):

熱収縮率が異なる2種類の樹脂を貼り合わせた繊維。加熱すると、収縮の差でバネのように強く縮れます。
中空繊維:
キーワード解説
嵩高性(かさだかせい):
ふっくらとしていて、厚みがある性質のこと。「嵩(かさ)が高い」とも言います。緩衝性や保温性を高める上で、重要な要素です

どうやって不織布にこの力を与えるのでしょうか?
ふっくらした構造を作る
サーマルボンドやニードルパンチといった製法で、繊維をふんわりと、あるいは厚く絡み合わせ、空気の層をたくさん作ります。
特殊な繊維を、織り交ぜる。
熱で縮れる繊維や、中が空洞の繊維などを最適なバランスで配合し、より高いクッション性を生み出します。
私たちは、お客様の製品の目的や用途に合わせて、最適な方法を選んで、この「やさしく守る力」を実現しています。
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