空気をすーっと、湿気はふわっと。快適さの秘密。
不織布は、繊維が三次元に絡み合った、無数の隙間を持つ構造です。この生まれ持った構造のおかげで、「通気性」と「透湿性」という、快適さを生み出す大切な機能を発揮します。この二つは似ていますが、通り抜けるものが違います。
ひと目でわかる!「通気性」と「透湿性」の違い
探求のポイント:
快適さと、他の性能との難しいバランス。
この機能で面白いのは、「通気性」と「フィルター性能」や「防水性」が、シーソーのような関係にある点です。通気性を高める(隙間を大きくする)と、ホコリなどを捕まえる力や、水を防ぐ力は弱まってしまいます。マスクが息苦しくなく、かつウイルス飛沫はしっかりブロックする。この相反する性能を、お客様が求める最高のバランスで両立させることが、技術の見せどころです。

空気や湿気のコントロールが求められる、様々な場面で活躍しています。
通気性: エアコンのフィルター、掃除機の紙パック、カイロの包み紙
透湿性: 医療用テープ、高機能な防護服、建材(壁の中の湿気を逃がすハウスラップ)
空気や湿気の通り抜けやすさも、JIS(日本産業規格)という国が定めた共通の「ものさし」で測ることができます。
透湿度 (JIS L 1099): どれだけの量の湿気が生地を通り抜けられるかを測ります。
キーワード解説
ハウスラップ: 住宅の壁の内側に貼るシート状の建材。外からの雨水は防ぎつつ、壁の中の湿気だけを外に逃がす「透湿性」が、家の寿命を延ばします。

どうやって不織布にこの力を与えるのでしょうか?方法は、大きく分けて三つあります。
素材の力
繊維の隙間の大きさをコントロールして、空気の通り抜けやすさを精密に設計します。
プレスの力
高い圧力をかけて不織布を押しつぶすと、目が詰まって通気性が低くなります。
フィルムの力
水は通さないのに湿気だけを逃がす、という高度な機能を持つ特殊なフィルムを貼り合わせます。
私たちは、お客様の製品の目的や用途に合わせて、最適な方法を選んで、この「快適さを生む力」を実現しています。
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